鍵とポッケ穴
- woodcutari
- Apr 29, 2008
- 8 min read
Updated: Jul 27
Ari's anthology 2008

One kind of love: Ari Nakamura
目次
ハルマチ星

何層もの白のなかで
地に落ちた星は
春を待つ
溶けゆるむ陽気が
変容した星を循環させて
深い眠りを貪る あなたの眉をなでるでしょう
春を待つ
ひとつ星
(ねぇ。。。おきてよぉ。。。♪)
シャイ

あどけなくなるには。。。。まだちょっと
きびしい季節。。。。
しどけなくなるには。。。。ちょっとどころか
いろいろたりない
いつも気がつくと 最初にもどっちゃうんだ
シャイだからね。。。。
心と過程・・・

最良の線を引く心の存在
時間と愛着の暖かい関係
オーソドックスな信頼
朝と
昼と
夜と。。。。
ワルツな過程
4等星

あのことは 澄んだ闇夜の
4等星
瞬きすると 見えなくなるの
零れたくなし
その視野よ
澄ませよこころ
天の川つむごう。。。。
ウィンク☆パンチ

2次元にすら満たないような 小さな舞台で
僕らは 笑う
ふんがいしたり ねっころがったり てを ふりまわしたり
なみだ こぼしたりしながら
僕らは 笑う
凍りついた全てが ときほぐれる マジックみたいに
心地よいクロスカウンター
食欲のための 消化のための パンチキック
僕らは 笑った
そして
素敵な 春を思った
ネコ科的順応

ファーブル先生のネコは
引越し先から 出て行った
ファーブル先生のネコは
元の家で
プンプンしていたのか
不思議に思ったのか
あたり前に思ったのか
悲しくなったのか。。。。
ファーブル先生の娘が
3回迎えに来た
3度目で 僕はあきらめて
7度目で あたしは更地にになったそこに耳をつける。。。
サカイメ ノ イキツギ

ウソだらけのパーティ
上がりっぱなしの口角
まぎれたコダマの14番目が
ポロンとホントの事をつげる
過去がすぐそこに迫って
僕は 目が眩んだ。。。。。
木霊と突起

むくむくと頭をもちあげる感情
幸せの二次曲線をふるわせるんだ
均衡を保つことのみが守ることだと知りながら
僕は感情の突起に躊躇する
自然は不自然で
不自然は 限りなく自然を装う
そして
僕は あまりなく幸せだと叫ぶ
木霊が自然に帰るまで。。。。
鍵とポッケ穴

お下がりの皮オーバー
茶色のポッケに手をつっこむんだ
オーバーは鎧みたいに重くてさ
肩こるよ
茶色のポッケについてた皮のクルミボタン無くなった
ついでに穴もあいてるんだ
僕は、手をつっこんで
ジャラジャラ入れたダラ銭を数える
ダラ銭は、人肌にあったまって
家の鍵と区別がつかない
手袋も君もいない僕は
いつまでも重いオーバーに手をつっこんで
確かに家に帰る
鍵もってるからさ
ホワイトリセット

色をなくした枯葉や はだかに剥かれたプラタナス
水気をいっぱい含んだ風たち
燃いづる秋は いづこか。。
儚き時を見わたす瞳 なにもかもが無力に思えたMAX。。。
君が来る
かわいらしげに 自由気ままに
君が来た
僕は春を羨むのを忘れ
君にひたすら感謝する。。。。
思ったとおりの いつもの君に。。。。
はだからず・・

はだかるは
ただ つかれ。。。。
かなたの 無限の波のよう。。。。
よせてはかえし。。。
。。。。
折れた爪なげき
新陳代謝を願う。。。。
さて、今夜はワインにしよう・・・ね。。。
甲のくちづけ

差し伸べた手は
罪を問われず
甲にくちづけされ
差し戻される
差し戻された手は
静かに風を受け
隠された紅葉として胸に添う
ロマンスは秋に熟成し
物語を生むのだろうか
再び差し伸べし手は。。。。
背中越しに体温を確かめる
内側の増殖

縛られず苦く 愛されて甘く
日々はかぎりあり 時は無限
存在する愛おしさに 酔い
愛おしい存在に とまどう
日々は今。。。。
瞬発的な苦悩もふくめ 愛しき今。。。。
そして・・・
愛しき昨日までのこと・・・
我が内なりき。。。
たぐるべくやすらぎ

そっとのぞきこむ めを
かたむける みみを
かする いきを
きえない ともしびの
かすかな あいず
しびれた ゆびさきを
かわききった かみのけを
おとした かたを
なでてかなでる くちびるのかんしょくを
うけたこと たぐって
やすらぐ。。。
キボウノ ミナモト

影を探した
隠れる隙間。。。小さくても深い気持ちいい闇
光を探した
あびる全体。。。同居して輪郭をきめる影とともに
均衡であれ。。。
美しく・・・可愛く・・・
儚い波は 想いを濃くする
今の目的は 愛とは別次元に見えても
多くは。。。。
きっと。。。
愛として届く
どこかへ。。。。。
うすいろゆうやけ

きみのこと しんぱいでさ
しんぼうに
ぼくの気持ち ちゃんとからまってるか
しんぱいでさ。。。。
ぼくのこと待っててくれるか
しんぱいでさ。。。。
。。。とおくには うすいろゆうやけ 頬のいろ。。。。。
すきだよ・・・・
故郷を探して・・・

ほらほら、あの女の子みたくね 故郷を探しているんだよ
ブンブン蜂もちょうちょも 妖精も
風の色も 蒼い山も 海の音も
わかんなくなりそうで
あわててるんだ
ほらほら、あの女の子みたくね
あたしは、じっとしてられないから
耳押えて 目閉じて 足ばたばたさせて
聞こうとしたり 見ようとしたり していたり
いつまでもタオルケット引きずって
故郷探してるんだ
そして タオルケットも
どっかいっちゃった
新しいタオル仕入れようか
迷ってるとこさ
迷子になるんだ。。。わざとに
放送かけてもらうんだ。。。みんなに
故郷探してるから。。。
別に帰りたいわけじゃないけれど。。。
drip....

したたりおちる あまみずは
あたしのフィルターとおってさ
あなたのコナコナとおってさ
想い味のブレンドで。。。。。
心にしみる芳香で。。。。
目をつむり
あめうけて
せつなさとかんしゃ
ワンセットの大人になった。。
すりかえたわけでもなしに。。。
あまみずのドリップ。。。
正午に・・・・

まぶしい太陽が 全身を照らすんだ
僕は目がくらんで 影を探す
サングラス忘れて あわててさ
(えにぃわん へるぷ みぃ・・・)
誰もいないのに 誰もいないから
呪文つぶやく・・・
(えにぃわん へるぷ みぃ・・・)
落ち着かなきゃ・・・何も見えなくなってしまうよ
君の影探して
アカシアの林にかけてった。。。。
僕の影・・・
シタウ・・・キモチ

慕情が準備のない私を 襲った
あれは、香りか光か音か。。。
恋しげな何かが 訴えてくる
私の中からなのか 外からなのか
静かに息を吸って 投げキスで空にかえす。。。
角度

めぐりめぐる月影
裏切りと表現するか
区切りと表現するか
自分次第
本気とは。。。興ざめぬこと。。。
19時15分の風葬

湿気を飛ばした静かな夕雲
港にさざめく波と鳥
ラッシュ過ぎの流線型
行儀良く並ぶ赤信号
海は。。。海は。。。。海はいい
はみ出した心を風にのせ
掴めなかった時を歌にのせ
微笑みの暗示を自分にかける
きみは。。。。安らげる。。。
教会が好きだといった彼は
泳ぎに行く
アイリッシュ系のパパは、日曜のミサに彼を誘う
僕は、海に行くよ
パパは、うなづく
教会は、なんとも気持ちがいい。不思議なんだ。
祈ることも そこにたたずむことも。。
海の中は、気持ちがいい。。不思議なんだ。
教会にいるのと同じなんだ。。
海は。。。海は。。。。海はいい。。。。
そして、きみも。。。不思議なんだ。。
海は。。。海は。。。。海はいい
絞りだせなかった涙も
隠せなかった声も
伝えなかった愛も
寄せて返して 返して 彼方まで。。。。
あふろでぃーと。。。

金星くんがいて
しぇいぷされた かんぺきな おつきさま
騎士と お姫さま
きょうは すこしはなれていたけれど。。。
騎士は お姫さまを
いつも いつも
まもってるんだ
ブレイクタイム

拾い集める 記憶
かたく目をつむり フィルム倉庫にしまうか悩む
出しやすいところに入れておくか
その辺に散らばしておくのか。。。。。
映写機は 廻る
カタカタカタカタ。。。。カタカタ。。。。
焦げ付いたセルロイドの匂いは
あの日の心のかたち
カタカタカタカタ。。。。カタカタ。。。。
のーざんじゃぱん

恋焦がれた大地には
吸いやすい空気がまっていた
ついたてのない あっさりとした風景
針葉樹からこぼれみえる白樺は
面相筆で引いたように 優しく柔らかい。。。。
空気は、どこまでも同じ色と同じ香り
どこまでも どこまでも。。。。。ぁぁ・・・・
がんばれ、じぶん♪

7匹のラバーダッキーかってさ、
お風呂にプカプカ浮かべてさぁ、
一匹ずつ名前つけてさぁ。。。
いっしょにお風呂に入るんだ。
名前がどれかわかんなくなって、
おなか押すと、フギャーって泣くのね。。。
あのことなんて忘れてさぁ。。。
ねぇ・・・そうしようよぉ☆
雪影とピック

白く太った雪影は
昨日の君の頬みたい
無心の傍らに
約束済みの愛吸って
君はなにを生み出すの?
エキセントリックな弦はじかれて
僕は、底なし沼の王
今とはそれぞれバラバラだけど
桜貝製のピックが
僕の油膜に 虹を映す
鹿角製のピックが
界面活性剤
君爪ピックは
僕のヘドロを真水にかえる。。。。。。。。
。。。。たのしんでいただけたら。。。
うれしいな。。。。

ナカムラ アリ
版画家・造形作家・詩人
‘鍵とポッケ穴’
2008年4月29日発行
発行者 ナカムラアリ
発行所 sakura studio